ECの分類

 前回は、ビジネスモデルを軸にECを分類してみたが、今回は、ECにおける他の分類の軸を見てみよう。ECはビジネス全般にわたって関わってくるので、その分類する視点も様々なモノが存在する。代表的な視点としては、経済産業省のECの定義で挙げられていたものである。他にも、取引商品、または主体関係などがの分類の視点が存在する。

○取引商品による分類
 取引商品となるものは、原則的にはリアルの市場で取引できるものはほぼ取引できるのだが、おもにECで取り扱われているモノの3分類をあげる。

①情報が伝送中や時間の経過とともに価値が低下しないコンテンツやサービスといった、価値減耗しにくい商品。物流コストがほぼかからず、価値も下がらないので最も魅力的な商群と言える。

②相対的に高額であるかハイテクな商品。パソコンや衣料品や装飾品など、顧客自ら時間をかけて情報を集め購買を決定することを厭わない諸品群である。

③インターネットを使って調査し情報収集の出来る、情報密度の高い商品。

 しかし、食料品や飲料が購入回数の多い商品・サービスの一つにあげられるようになってきていることからも、必ずしも情報密度が高かったり、ハイテクなモノが中心という状況ではなくなってきているといえる。

○主体関係による分類
根来龍之・木村誠『ネットピジネスの経営載賂:知識交換とバリューチューン』日科技連出版社 1999
 根来は代理人としての機能に着目し売手と買手の立場に立つことで以下の4つに分類した。
・IC -Dealer:売手の代理人として、モノを提供し、売手の利益を最大化する
・IC-Retailer:買手の代理人として、モノを提供し、買手の利益を向上させる
・IC-Advertiser:売手の代理人として、情報を提供し、売手のビジネスを支援する
・IC-PFB(プラットフォーム・ビジネス):買手の代理人として、情報を提供し、買手のバリューチェーン 参加の支援をする
●インターネットビジネスの4分類

代理人としての機能 ものを提供 情報を提供
売手の代理人 IC-Dealer IC-Advertiser
買手の代理人 IC-Retailer IC-PFB