2007-01-01から1ヶ月間の記事一覧

 チェーン指向とは

手島歩三 根来龍之 杉野周編 『ERPとビジネス改革 : 統合業務パッケージ活用の誤解と指針』日科技連出版社 1998.4 ここでは、チェーン指向とは具体的にどのようなものなのかをより詳細に検討してみよう。 チェーン指向はサプライチェーンをどのようにつない…

 コミュニティ指向と顧客間インタラクションの差異

國領二郎『オープン・アーキテクチャ戦略―ネットワーク時代の協働モデル―』ダイヤモンド社 1999.11 コミュニティ指向は、国領の「顧客間インタラクション」概念を拡張したものである。そこでOne to Oneマーケティングと同様に、差異を明確にするため、顧客間…

 チェーン指向とOne to Oneマーケティング

D. ペパーズ M. ロジャース著 ベルシステム24訳『ONE to ONEマーケティング−顧客リレーションシップ戦略−』ダイヤモンド社 1995.3 チェーン指向はOne to Oneマーケティングを発展、整理したものといって良い。そこで両者の差異を明確にしておく。以下では、…

 知識交換モデル

以前、根来の知識交換モデルを紹介したが、今回は、ECに適応させより一般的な知識の定義に置き換えることで、整理し直し、知識交換モデルとして提案したい。 まず、根来の知識交換モデルがバリューチェーンの発展を基本にしているところから整理しよう。根来…

 知識社会とは

これまでにも21世紀が「知識社会」になることを予見してきた識者は多い。ピーター・ドラッカーは「ポスト資本主義社会」(1993)において知識だけが意味ある資源だと論じ、ダニエル・ベルは「知識社会の衝撃」(1995)で、知識と情報が社会変革の戦略資源と…

 プラットフォーム・ビジネスの定義

PFB

これまで、プラットフォーム・ビジネスを見てきたが、ECにおける知識交換を論じていくためにここで、定義していきたいと思う。プラットフォーム・ビジネスの定義は以下のようにする。 「第三者間のコミュニケーションに介在し、ECを活性化させるビジネス。か…

 根来のプラットフォーム・ビジネス

PFB

根来龍之・木村誠『ネットピジネスの経営載賂:知識交換とバリューチューン』日科技連出版社 1999 根来龍之監修 早稲田大学IT戦略研究所編『mixiと第二世代ネット革命』東洋経済新報社 2006.9 根来龍之・木村誠「インターネットコマース(IC)発展のための…

 國領のプラットフォーム・ビジネス

PFB

また同じくプラットフォーム・ビジネスに関する先行研究として國領の研究は見逃すことができない。 國領二郎『オープン・ネットワーク経営』日本経済新聞社 1995.5 國領二郎『オープン・アーキテクチャ戦略―ネットワーク時代の協働モデル―』ダイヤモンド社 1…

 出口のプラットフォーム

PFB

プラットフォームに関する先行研究として、まず出口を挙げたい。 出口弘『複雑系としての経済学』日科技連 2000 出口は、プラットフォームを、「何らかの装置やソフトウェアや規格」 、または、「上位構造を規定する下位構造(基盤)」 と定義し、「プラット…

 プラットフォームのレビュー

PFB

ECにおけるインタラクションコスト削減の鍵を握るプラットフォームとプラットフォーム・ビジネスのレビューをしていく。 まず今回は一般的に用いられているプラットフォームの定義をレビューしていきたい。 プラットフォームという言葉は、日常用語として、…

 参考文献(1)

知識交換の鍵となるプラットフォーム・ビジネスに入る前に、これまで、IT化の進展と共に拡大してきたECを経済理論などの側面からみてきたが、その参考文献や引用資料、URLなどをまとめておこう。<書籍> ○B. W. Arthur『収益逓増と経路依存 : 複雑系の経済…

 サーチの理論から見たEC

ECは、ビジネスモデルから見て取れるように、従来の物理空間における工業を主体としたビジネスとは様相が異なっている。工業ビジネスの世界では、利益を生み出す仕組みは基本的に自社の製造した製品やサービスを売るということに依存していた。そのため、企業は長…

 内外作問題

丹沢安治『新制度派経済学による組織研究の基礎』白桃書房 2000 小野桂之介 根来龍之『経営戦略と企業革新』朝倉書店 2001 CoaseからWilliamsonへといたる取引コスト理論のメインストリームは主として、「作るか買うか」(make-or-buy)の問題を扱ってきた。…

 取引コスト理論(2)

ロナルド・H・コース(Coase, R. H.)著 宮沢健一 後藤晃 藤垣芳文訳『企業・市場・法』東洋経済新報社 1992.10 O.E.ウィリアムソン(Williamson, Oliver E.)著 浅沼萬里 岩崎晃訳『市場と企業組織』日本評論社 1980.11 経営組織論とは http://home.kanto-gakui…

 取引コスト理論(1)

O.E.ウィリアムソン(Williamson, Oliver E.)著 浅沼萬里 岩崎晃訳『市場と企業組織』日本評論社 1980.11 O.E.ウィリアムソン著 井上薫 中田善啓監訳『エコノミック・オーガニゼーション:取引コストパラダイムの展開』晃洋書房 1989.2 トマス・W・マローン(Ma…

 ECの分類

EC

前回は、ビジネスモデルを軸にECを分類してみたが、今回は、ECにおける他の分類の軸を見てみよう。ECはビジネス全般にわたって関わってくるので、その分類する視点も様々なモノが存在する。代表的な視点としては、経済産業省のECの定義で挙げられていたもの…

 インフォミディアリ

中村雅章「ネットビジネス戦略とビジネスモデル」『中京ビジネスレビュー』2005.3 No.1 http://www.chukyo-u.ac.jp/educate/mba/cbr/001/imgs/05.pdf 中村によると、ECにおける情報仲介モデルについては、基本的に取引の場であるマーケットプレイスを提供する…

 ECのビジネスモデル(2)

ECにおいえて、ビジネスレイヤーに注目したもとしては、中村氏のがあげられる。 中村雅章「ネットビジネス戦略とビジネスモデル」『中京ビジネスレビュー』2005.3 No.1 http://www.chukyo-u.ac.jp/educate/mba/cbr/001/imgs/05.pdf これまでの成功モデルをみ…

 ECにおけるビジネスモデル(1)

まず、ビジネスモデルといってもその概念自体がまだまだ確立していない概念のため分類も様々である。そこで、ビジネスモデルについてレビューしてみよう。根来龍之監修 早稲田大学IT戦略研究所編『mixiと第二世代ネット革命』東洋経済新報社 2006.9 根来 ビ…

 ECの定義(3)

EC

今回は、これまでのECの定義をふまえてECを以下のように定義する。 ●広義 顧客・取引先とのコミュニケーションの一部あるいは全部をコンピュータネットワークを利用して行う商取引 ●狭義 顧客・取引先との受発注のコミュニケーションコミュニケーションの一…

 ECに似た概念

EC

ECの概念をレビューしたが、ECと似た概念として、eビジネス、インターネットビジネス、などが多く存在している。今回は、それらの概念を整理しよう。 ウェブなどのインターネット技術を取り込んだ新しいビジネス形態の名称としてIBM社が1997年10月に提唱した…

 ECの定義(2)

EC

ECにおいてまずあげられるのは、B to B EC(企業間電子商取引)である。 事業者に対する、事業者からの財(物品、サービス、情報等)の提供にEC を用いるものである。この場合対価を支払うのは事業者であり、対価の受取側は事業者となる。また事業者は法人及…

 ECの定義(1)

EC

EC(Electronic transaction)のビジネスモデルを見ていきたいが、ECはまだ若い概念でその定義も様々あるので、まず、そこからレビューしていきたい。ECの定義については、現在発展途上の概念であるため、似たような意味で用いられている言葉が様々存在し、…

 ビジネス階層の分離化

IT化によりもたらされた、自動化により標準化されたものをより自由に組み合わせることが出来るようになった。また、ネットワーク化で、より多くのものとつながることにより、従来一つの企業内で行われていた活動が、異なる会社によって担われるようになった…

 IT化がもたらした経済法則

収穫逓増の法則 IT化にもたらされた変化は、複合してよりこれまでの市場とは異なる現状が起こることが指摘されている。従来の市場とは違って、“限界生産物”が増加し続ける「収穫逓増」の現象が多くみられるという指摘がある。収穫逓増は一種の正のフィードバ…

 IT化がもたらしたもの

IT化によりもたらされたものとは何だろう。これまで、多くの研究がなされているが、今回は以下を参考に、「デジタル化」、「ネットワーク化」、「自動化」の3つについて注目してみる 。 情報通信白書 http://www.johotsusintokei.soumu.go.jp/whitepaper/wh…

 根来の知識交換モデル

根来の知識交換モデルはバリューチェーンの発展を目的として、インターネットにおける商取引とそれに関連した知識交換を行うものである。 根来龍之・木村誠『ネットピジネスの経営戦略:知識交換とバリューチューン』日科技連出版社 1999 根来龍之・木村誠「…

 野中の知識創造と知識交換の違い

組織的知識の研究は日本の誇る研究であり、現在も多くの分野で用いられている。ナレッジマネジメントは、一橋大学大学院の野中郁次郎教授と竹内弘高教授の研究を契機として学産で注目を集めた。The Knowledge−Creating Company (with co-author), Oxford Uni…

 知識とは?

卒論完成しました。 ホントにバタバタしましたが、これでようやく正月を迎えることができます。。 これで、toraponの部屋で知識交換に向けた、情報の発信と蓄積を始めることができます。 ところで、知識交換においても、知識と情報などは実際にあまり区別さ…

Hatenaな訳

知識交換を目的にブログを書くことにしたの良いとして、なぜHatenaを選んだのかである。世に多くのブログやSNSなどの日記の機能を持ったサービスが存在する中にHatenaDiaryを選んだのか。そらは、当然といえば当然だが「知識交換に最も有効な機能を持ち、更…